夜が明けます
そしたら何事もなかったように朝が来ます
太陽はこれ見よがしに得意げな顔で昇っていきました
季節は覆い被さり
時代は積み上がり
颯爽と人の足音だけが早くなる
そんな時と時に挟まれ
大きく畝る首筋を見ながら今日はどうだと呟き
溢れてくる空模様には逆らいきれず
いつかみたいに呆れた顔の子どものようだと言われ
それならばと頭は動くが体はじっとしているだけだった
また今度初めから
囁かれた耳は遠くを拾っていた
風鈴に似た奥ゆかしさを抱えた
この地球の呼吸音
朝が来ました
幸せな目覚めで作る朝ご飯も
いつかは死んでしまうんだ人間になんか生まれてこなければよかったと見つめる憂鬱な天井も同じ自分が迎えたかけがえない始まり
泥は落ちなくて
傷はなかなか治らなくなって
置いてかれていかれてばかりの日常を繰り返しても確実に古くなっていた
しまいには泣くこともなくなり
いよいよ人としても終わりかなと思ってしまう
形さえも支えられていたんだと知った
必要ないものは自分で決めつけたものだけだった
僕の体を与えてくれた何者かへ
どうか最後まで意思を持たせておいてほしい
そうすれば考えて
考えた後に
それでもよかったと答えを出す自信があるから